(作:Goodwillメンバー/イラストレーター 半田 智穂)
「冬季うつ」を予防するための日常的な対策
さて、前回お話しした「冬季うつとは?」。
治療法に関してはケン先生のセツメイをお読みいただくとして、予防のためには以下のような対策をライフスタイルに取り入れることが推奨されています。
- 可能なだけ日光を浴びる:日差しのある隙に暖かくしてお出かけやお散歩したり、窓際に座ったりしましょう。
- バランスの良い食事をする:食欲が増進しても「無理な我慢」と「罪悪感」は禁物です。量を減らすことよりも内容の充実にフォーカスし、タンパク質やビタミンいっぱいのバランスの良い食生活で自分をいたわりましょう。
- 運動の習慣をつける:晴れた日に外に出てジョギングでもできれば一石二鳥ですが、なかなかそうはいかないのがオランダの冬。家の中で数分、Youtubeの動画を見ながらダンスや筋トレ、ストレッチをするだけでも、一日の気分と体の温かさが全然違います。※運動が新たなストレス源になっては本末転倒です。習慣にするためには楽しめる内容と範囲を見つけ、「できなかった日」よりも「できた日」を数えましょう。
- ほかに、人とコミュニケーションを取る、ヨガや瞑想、入浴などのリラックスタイムを意識的に毎日持つ、なども効果的とされています。もちろん辛い身体症状があったり、プロのサポートを得たかったりしたら、ホームドクターや専門家に相談しましょう。
「季節性情動障害(季節性うつ、冬季うつ)の治療方法」について、ケン先生の医学的解説はこちら!
- Fatigue(英)…疲労感
- Oversleeping / Difficulty waking up in the morning(英)…過眠、朝の起きづらさ
- Craving carbohydrates(英)…炭水化物が食べたくて仕方ない
“I have heard about a special lighting device that may be effective for treating SAD, and I would like to try it.”
(季節性うつに効くという照明器具の話を聞いたことがあって、使ってみたいのですが)
“Are there any medications you could prescribe for this?”
(この症状に対して出していただけるお薬はありますか)
“How long should I try that approach before coming back to seek further advice?”
(それをどれくらいやってみてから(まだ治らなかったら)、再診に来るべきですか?)
精神科医、心理士を擁する私たちGoodwillもサポートできます!
「これは冬季うつではないか?」「医者にどう説明すれば?」など、ご相談があればいつでもお気軽にGoodwillに無料でお問い合わせください!
(文:Goodwillメンバー ウルセム幸子)
SAD(季節性情動障害)の治療法
SAD(季節性情動障害)の治療として最も頻繁に用いられ、信頼度も高いものが「光療法」です。
自然光を模した明るい人工光に曝露することで、体内時計を調整し、気分の状態を改善します。
光療法では通常、約10,000ルクスの光(通常の室内照明の約20倍の強度)を朝に20~30分浴びるための専用のライトを使用します。この光曝露により、体内時計の調整、セロトニンの増加、過剰なメラトニン生成の抑制などができ、気分が上向いてうつ症状が軽減されます。
この治療法は精神科や心療内科で処方される科学的に効果が証明されている治療法です。他に薬物療法、心理療法、生活習慣の改善なども効果的です。
この照明器具はオンラインショップなどでも販売されていますが、購入前に製品詳細をよく調べてください。
市場に出回っている「光療法ライト」は品質や耐久性が玉石混合で、安価な製品は使用頻度が高いと故障や過熱を起こしやすい場合もあります。
Medipoint や Vegroといった、お住まいの地域のZorgwinkel(自治体や保険会社と連携して運営される医療・介護製品ショップ)で品質のしっかりした光療法ライトをレンタルでき、レンタル料が保険でカバーされる可能性もあります(これらのお店に行くのに予約やかかりつけ医からの紹介は要りません。店に入って訊いてみましょう。事前に保険が適応されるか知りたい場合は保険会社に問い合わせを)。
医師に相談せずにライトを使用することも可能ですが、感情の波が大きい時には必ずかかりつけ医に相談するか、Goodwillにご連絡ください(サポートとアドバイスができます)。
またライフスタイルの改善も、SAD(季節性情動障害)の季節の強い味方です。長く寒く暗いオランダの冬をハッピーに過ごすために、ダイエティシャン(栄養士)、ライフコーチ(健康のみならず仕事や人間関係など人生の様々な面でコーチングする仕事)、パーソナルトレーナー(ジムなどにいる運動のアドバイスをくれる専門家)といった専門家の力を借りるのもとても助けになりますよ。
これらの人たちに会うのにかかりつけ医からの紹介は要りません(保険でカバーされる範囲や回数も、保険の内容によります)。行きやすい場所にあるオフィスを口コミやオンラインで見つけましょう。
「これは冬季うつではないか?」「医者にどう説明すれば?」など、ご相談があればいつでもお気軽にGoodwillに無料でお問い合わせください!
(文:Goodwill代表 タナカケン)
(訳:Goodwillメンバー ウルセム幸子)
- 文:Goodwill代表 タナカケン
- 文・訳:Goodwillメンバー ウルセム幸子
- イラスト作画:Goodwillメンバー 半田 智穂
- WEBデザイン・編集:チューリップデザイン