ビタミンD、足りていますか?~気だるい、やせにくい、風邪をひきやすい…もしかしてそれ、ビタミンD不足かも?~

【医師監修】オランダでの子どもの予防接種完全ガイド!日本とオランダ、どう違う?
ビタミンD、足りていますか?~気だるい、やせにくい、風邪をひきやすい…もしかしてそれ、ビタミンD不足かも?~

(作:Goodwillメンバー/イラストレーター 半田 智穂

オランダで不足しがちな「ビタミンD」

オランダに暮らす日本人の多くが知らずに背負っている健康リスクのひとつが、ビタミンD不足。

理由はとてもシンプルで、オランダは日本よりも、身体がビタミンDを生成する引き金をひいてくれる日光の量が圧倒的に少ないからです。

日照時間を比べてみると、たとえば日本は年間の合計が約2,050時間、アムステルダムは 約1,774時間 など、どのデータを取ってもかなり短め。またオランダは夏は日が長いのに年間の総計日照時間がこれだけ短いということは、秋冬の日照時間がいかに短いか、容易に想像がつくのではないでしょうか。実際、12月の平均日照時間は1日に1時間21分という悲しいデータもあるようです。

日照時間がこれだけ短いと、私たちの体がビタミンDを生成する機会は大きく減ります。

さらに、オランダには「干ししいたけ」や「ひもの」のような天日干しした食品も少ないため、食品からビタミンDを補給できる機会も激減します。そのため、日本にいた頃と同じように特に意識せずにオランダで過ごしていると、ビタミンDはおのずと不足してしまうのです。

また近年、肌の健康や美容のために日焼け止めを一年中利用する人も増えています。これはもちろん肌の保護には大きな意義がありますが、それだけに日光からのビタミンDの生成も阻害されがちです。

ビタミンDと子ども:「夏にグンと背が伸びる現象」にも関係?!

ビタミンDといえば骨の強さをサポートする栄養素としてよく知られていますが、近年の研究ではそれ以上のさまざまな役割が注目されています。

ちょっとユニークなのは、「子どもは夏の間にもっとも背が伸びる」という現象の理由の一部ではないかという説。

夏休み明けに子どもが6月まで着ていた服が着られなくなっていた、ひさびさに履いた上ばきが入らなくなっていた…という体験を多くの人がしたことがあるのではないでしょうか。

理由としては時間に余裕があるので栄養・睡眠・運動をたっぷり取れることなども指摘されていますが、そういったスケジュールにあまり関係ない0歳児でもやはり夏に身長が伸びる傾向があるとのこと。

その理由のひとつとして、日光をよく浴びて体内のビタミンDが増え、骨の成長がより活発になることがあるのでは、と言われています。

ビタミンDと大人:免疫・代謝・気分、肌の調子にも影響

大人にとっては「骨粗しょう症予防」などの文脈で目にする機会が多く、「骨の健康を守るカルシウムの仲間」の印象が強いビタミンD。しかし実は「ホルモン」に近い働きを持ち、他に以下のようなはたらきもあります。

  • 免疫のはたらきを助ける
    ウイルスや細菌に対する防御機能を高め、抵抗力を支えます。不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなったり、回復に時間がかかったりします。
  • 代謝・エネルギー(ダイエットにも影響)
    ビタミンDは体の中でエネルギーを作るミトコンドリアの働きを助け、慢性疲労感の改善にも関わることが分かっています。 不足すると「だるい」「疲れやすい」といった症状が出ることもあり、代謝が鈍る・だるくて動きにくくなるなどの理由でダイエットが直接的・間接的に停滞する原因にもなります。
  • 肌のコンディションを内側から整える
    骨だけでなく体全体の代謝をサポートしてくれるビタミンDは、当然肌のターンオーバーにも影響します。上記にプラスして肌の調子も気になるなどの症状に心当たりがあれば、ビタミンDが足りているか考えてみてもいいかもしれません。
  • 睡眠の質を保つ
    ごく近年ビタミンDが不足すると睡眠の質が低下することがわかり、現在その因果関係がさまざまな角度から研究されています。寒くて暗く、ただでさえ起きてベッドから出るのが辛いオランダの冬。毎朝起こすのに苦労する子どもも含め、改めて家族みんなにビタミンDが足りているか見直してもいいかもしれません。

このように、ビタミンDは足りなくてもすぐ病気になるものではありませんが、長期的に不足していると体と心の調子にじわじわと影響します。ビタミンDを意識的に補給して、心身ともに元気にオランダの冬を乗り切りましょう。

春はもうすぐです!

お役立ちフレーズ

“I’ve been feeling tired and low in energy, especially in winter. Could it be related to vitamin D?”
(最近とても疲れやすくてエネルギーが出ません。特に冬に。ビタミンDと関係がある可能性がありますか?)

“Could you check my vitamin D level with a blood test?”
( 血液検査でビタミンDの値をチェックしていただけますか?))

“If my vitamin D is low, what kind of supplement and dosage would you recommend?”
(もしビタミンDの値が低いという結果が出たら、どんなサプリをどのくらい飲むのがおすすめですか)

(文:Goodwillメンバー ウルセム幸子)

Dr.ケンのちょっとセツメイよろしいですか

精神科医の視点:日光と精神状態とオランダの冬

メンタルヘルスの観点から考えると、日光はビタミンDの生成だけでなく、睡眠やエネルギー、精神状態に大きく影響する「体内時計(概日リズム)」を整えるうえでも重要な役割を果たしています。

これを言うと驚く人が多いのですが、冬になると気分が重くなったり、やる気が出にくくなったりするのは、日照時間の減少に対する生物学的な反応であって、その人の意志の強さ弱さとは関係ありません。

日光はセロトニンやメラトニンといった脳内物質の調整に関わっており、オランダのように長く暗い冬が続く環境では、これらのバランスが崩れやすく、季節性の気分の落ち込みや疲労感につながることもしばしばです。

日本で生まれ育った人にとっては、この違いは特に強く感じられるかもしれません。日本と比べると、オランダの冬は一日の日照時間が短い上にお日様が顔を出さない日も多く、一日のリズムを自然に整えてくれる光の刺激が少ない環境です。これまで心の不調など感じたことがないのに、オランダで冬に睡眠や気分、意欲の変化を感じるようになったという人も珍しくありません。

こうした変化を「新しい環境や文化に適応する過程で起きる反応」として理解することは、むだに自分を責めず、きちんとセルフケアをできる自分への第一歩になります。

ビタミンDのサプリメントは特に冬のオランダでは大切で、心身の健康を保つために必要になる場合も多くあります。
しかし、サプリメントだけでは日光がもたらす心理的・生理的な効果の完全な代わりにはなりせん。
また、オランダの健康ガイドラインで「窓ガラス越しの日光にはビタミンDの生成や体内時計の調整効果は期待できない」ともされています。適切なサプリメントの摂取に加え、たとえ短時間でも日中に屋外で自然光を浴びることが、睡眠リズムを整え、心の安定を支える助けになります。長時間のきつい運動を目標にするよりも、小さくともムリなく続けられる習慣を身に着けようとする方が現実的でしょう。

そして最後に。
そもそも冬は、常に生産性高く明るい気分でいることを自分に課すべき季節ではありません。
木々が葉を落としてじっと春を待つように、冬には私たちの心身も少しやさしいペースに落とすことが必要です。
ビタミンDの補給に加え、日中の光を意識的に取り入れ、十分な休息と自分への思いやりを大切にすることが、長いオランダの冬を心身ともに健やかに乗り切るための、バランスの取れた過ごし方と言えるでしょう。

(文:Goodwill代表 タナカケン)
(訳:Goodwillメンバー ウルセム幸子)

  • 文:Goodwill代表 タナカケン
  • 文・訳:Goodwillメンバー ウルセム幸子
  • イラスト作画:Goodwillメンバー 半田 智穂
  • WEBデザイン・編集:チューリップデザイン
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